自分の性格上優柔不断な上に歳とともに財布の紐も固くなってきた。電子ピアノ選び、どれにするかの決断ができない限り、もしかしたらこのまま買わずに終わってしまう。でも電子ピアノを買うことは決めたのだ。確実に購入するため作戦を練った。はたして納得できる電子ピアノを購入することができるのだろうか。
弱点の「決められない」を克服するために
電子ピアノを選ぶにあたり下見で楽器店に足を運び、店員さんからインターネットで調べきれなかった情報を仕入れ、さらにカタログをもらって帰ってきた。
いつもいいところまで気持ちが上がっても、購入する直前で欲が出て、もっと調べて比較してからにしようなどと考えてるうちに面倒になって、結局決められず、そのうち熱が冷めてしまう。決められない理由は何でしょうね、きっと欲張りなんでしょうね。まぁ誰だって少しでも価格を抑えて高品質なものを選びたいんじゃないかな。それと、自分の中で選ぶ軸が明確じゃないんだろうな。
スピード重視で物事を進める
今回は「決められない」を克服し、絶対的な目標「次週買う」を達成しよう。何が何でも選び、決断し、納得のいくものを買うんだ。ここでダラダラと先送りしてたらピアノ熱が冷めるどころか消えてしまう。
仕事目線で考えるなら、候補機種の全カタログを集めてスペック、価格、メリット、デメリット等の比較表をつくり検討するが、今回はやらないことにした。そんなことしてたら時間かかるし迷走するかもしれない。スピード重視だ!絶対に決められる判断基準を持たなければ。
選ぶ基準を明確にする
何をもってこの電子ピアノがいいなと言えるのか。音楽なのだから音を楽しむんだよ。音が好き、弾いて楽しく気分が上がる、そう、この感覚を判断基準にしよう。やっぱり楽しいのがいいよ。
こんな感覚的な基準で決断できるのか。分からんけど、1週間後この感覚を頼りに決めるのだ。候補のピアノで同じ曲を試し弾きして、一番気分良く弾けるピアノを買おうと決めた。
楽器店で思ったことは、試しに弾いてみると言ってもドミソーくらいじゃあ正直言ってよく分からない。明らかに価格に差があって高いのと安いの比べれば違いは一目瞭然だけど。自分が選ぼうとしてるのは20万円前後の異なるメーカーの中からだ。どれもそれぞれ良さげで本当に迷うんですわ。
実際の練習環境に合わせる
店員さんに教えてもらったスピーカーという視点。2つなのか、4つなのか、それ以上か、スピーカーの大きさや品質も影響する。さて、自分の練習環境はどうかと言えば、うち音出せないじゃん!ヘッドホン必須!
そう言えば試し弾きって普通に音出してたじゃん、それってもしかしてヘッドホンつけて弾いた方がいいんじゃね?って、気づく。
来週買いに行く時はヘッドホンつけて弾くぞ。貸してくれるかな?一応持参しよう。先走って買うのもどうかと思い、弟にハイレゾ対応のまあまあいいやつを借りることにした。一般的なやつはきっと店にあるでしょ。
うわー、ヘッドホンのこと頭になかったなぁ。まあ今気づけただけでも良しとしよう。
カタログ見るとヘッドホン着用時にはより臨場感を楽しめるよう、立体的な音場が再現出来る機能が搭載されている機種もある。ヘッドホンの品質だけじゃなくてヘッドホン用のアンプの品質で、音の再現性にも差が出るんだね、きっと。
スピード決断すぐ行動
電子ピアノを選ぶ判断基準
- 好みの音であること
- 弾いて楽しく気分が上がること(下手でも気持ちよく弾けること)
- 条件としてヘッドホンをつけて試し弾き
そのために、試し弾きするための曲を弾けるように特訓だ。
問題の弾く曲は、年末に練習したエリーゼのために一択(笑)。今から特訓して両手弾きでマシになるのはこれしかない。仕事が始まって年度末に向け忙しくなったら先送りコース間違いないから、とにかくスピード重視。さっそく一番行きやすいレンタルスタジオを探した。いくつか見つけたけれど、どこも突然は弾かせてもらえなくて会員にならないといけない。知らなかった。しょうがない、ここにしよう、即入会金払って予約だ。
結局2回しかスタジオ行けなかったけれど、グランドピアノで練習した(スタジオのはYAMAHAでした)。ここで心がけたのは、すべて弾けなくてもできるところまで暗譜すること。店で楽譜出すのも面倒だし。何よりも弾いて楽しいという感覚の違いを比べるためには、集中して弾き心地を見極めないとって考えたからね(たいして弾けないくせに〜笑)。
しかし高校1年以来だなグランドピアノを弾いたのは。全然その感覚なんて覚えていなかったよ。グランドピアノの鍵盤重いって聞いてたけど想像よりも軽いタッチだった。丁寧に弾くと強弱の違い、優しく弾く感じとか、和音の響きの感じとかが指の力加減というか脳の指令でイメージした音がダイレクトに出るんだなと思った。年末にアップライトピアノで32時間練習した後だけに、今回グランドピアノを経験できてよかった。
優先順位の整理をしよう
判断基準を明確にしたけれど、これはカタログで比較できる基準ではない。機種ごとのスペックや価格のはなしではない。基準が自分の感性に委ねられる。これって難しい。いつもグランドピアノ弾いてるようなプロとかすごく上手な人が電子ピアノを弾いて、あ、この機種なら納得かもってなるやつじゃん。しかも、それに応えられる機種は電子ピアノの中でも最上位クラスってことくらいは想像つく。
でも自分なりに短い時間で集中して電子ピアノという楽器(家電、インテリアとも言う笑)について学んだ。アップライトピアノもグランドピアノも弾いた。だから、今の自分が楽しく弾ける機種を選べばいいじゃないか。と、言い聞かせ、それを補うためのスペック的な優先順位を整理することにした。
優先順位あれこれ悩む
下調べ情報をもう一度列記する。1〜9はインターネット収集情報、10〜14は楽器店情報ですよ。
- 電子ピアノはタッチが軽めで上手く聞こえるから生ピアノ弾くと下手に聞こえる
- ピアノ本来の音を響かせることを理解できないためいくら電子ピアノで練習しても上達には限度がある
- 買うならピアノメーカーの電子ピアノ(YAMAHAかKAWAI)がお勧め
- 電子ピアノの中でも鍵盤のタッチが重めのを選ぶべき(キーボードはお勧めできない)
- 鍵盤はプラスチックや樹脂製よりも木製が良い
- 好みの音色(有名なピアノの音とか)や慣れ親しんだ音色の機種を選ぶ
- 譜面台の高さはグランドピアノと同じ機種がよい
- ダンパーアクションペダルの機種が良い
- 電子ピアノでもある程度の値段の機種が良い(10万円以上必須)
- サイズと色を確認する
- 楽器の安定性
- ダンパーアクションペダルの階下への影響
- 電子ピアノは家電でもある(製品寿命約10〜15年)
- スピーカーの品質、数、ヘッドホン使用時の音
順番に確認する。
下調べ情報 | 自分なりの考え方 | 判断 | |
1 | 鍵盤のタッチ | 候補機種の機能なら重い軽いの調整可能 | 弾き心地重視する |
2 | 電子ピアノでの上達限度 | まぁそうでしょうね | そんなもんだと受け止めます |
3 | お勧めはYAMAHAかKAWAI | なるほど | 試し弾きして決めます |
4 | 鍵盤タッチ重め(キーボードNG説) | 1に同じ | 電子ピアノ買います |
5 | 鍵盤の素材 | 木製がいいと思うけど、プラスチック製と樹脂製は何が違うの? | どんな感じか不明なので試してみたい |
6 | 好みの音色 | もちろん! | 最重要事項 |
7 | 譜面台の高さ | どちらでも | どちらでも |
8 | ダンパーアクションペダル | ペダルはピアノ演奏に欠かせないと思うし本物と同じ感覚がいいな | 必要! |
9 | ある程度の機種 | 下見でその通りと思いました | 予算20万前後にします |
10 | サイズと色 | できればコンパクトがいいけど弾き心地の方が優先度高いかな | 悩むところ |
11 | 楽器の安定性 | 難しくて激しい曲なんてまだまだ先だよ | 最低限として蓋付タイプにしよう |
12 | ペダルなど階下への影響 | 確かに迷惑はかけられない | 悩むけどペダルは重要 |
13 | 家電である | 高すぎる機種よりはリーズナブルなのがいいな。でも弾き心地と音により10万以下はやめます | 最初予算10万と思ってたけど20万前後に変更 |
14 | スピーカー品質 | 確かに重要!好みの音色って言ってもスピーカーの影響大ですね | ヘッドホン付けて一番気にいるやつにします |
なんだかんだ楽器だから音が最重要で、それにともない弾き心地とも言える鍵盤とペダルも最重要項目だ。そして何とも悩ましいのがサイズと色。大邸宅なら気にせず好みのを買えば良いし、そんな家ならグランドピアノでしょう(笑)。けど自分はと言えば狭い部屋に置かないといけない。家具で部屋の印象がものすごく変わるのはよく理解できる。
部屋をスッキリ見せたいから床の色に近いのを選ぶとすると、明るめのホワイト、ミルキーホワイト、ライトブラウン系のやつになるのかな。けれどそれは今の話で、今後引っ越す予定もあるからどうしよう、と悩んでしまう。先のことは置いといて、今の生活に一番ピッタリのにしよう。サイズについてもカタログで確認して、置く予定の場所で奥行、長さ、高さのイメージもつかんでおこう。高さと色のバランスって結構室内イメージに影響するからね。
はぁー、今から模様替えかぁ。正月早々面倒だな。
電子ピアノの音源ってどんなの?
音が重要と言いつつ、そもそも電子ピアノの音源ってどんな仕組みなんだろう。専門的なことは分からないけどカタログから理解できる範囲で勉強してみた。メーカーによって修飾語は違えど、サンプリング音源とモデリング音源なる2種類があるらしい。かなり、大雑把で乱暴な解釈だけど、こんな感じだろうか。
- サンプリング音源:あらかじめ録音したピアノの音をデジタル化して響きなど調整しつつ再生する
- モデリング音源:ピアノを構成する弦やら響板やら様々な部位によってもたらされる音の鳴る要素をデジタル技術で合成し弾き方によって変化する倍音の響きなどをも再現する
サンプリング音源だと有名なピアノの音を録音して、それがあたかも生の音にきこえるように一音一音忠実に再現したものを音源として内蔵させて、弾いた時にスピーカーから再生されるということだろう。そしてモデリング音源は弾いた時にその都度音がモデリングされて再現音としてスピーカーから聞こえるということだろう。これらはメーカーによって採用されている技術も精度も違うだろうけれど、とりあえず自分はこの様に理解した。
いい加減な事は書かないつもりだけれど、間違っていたらごめんなさい。詳しくはメーカーさんにお問い合わせするのがいいと思います。
その昔まだ大学生でバンドやってた頃、DTMやってた友人がよくサンプリングしたーとか言って、何かの音を録音して自分で調整加えて音源作ってたから、サンプリングってそー言うものかなと今まで思ってた。なので要は録音データをいじくり回して好みの音にして再生させるデジタル音なんじゃないかな。
と言う理解のもと、モデリング音源のある機種は必須だ。
その他カタログから重要視したこと
カタログを眺めていて音源の項目で重要視したこと、それは「最大同時発音数」である。その名の通り同時に音が出る数のこと。鍵盤だけでなくペダルで響かせた音とか全て含まれるらしい。和音で次々にバーンと弾いた時に音が途切れてしまうのは気持ち悪い。ここが無制限の機種もあれば、250音程度が同時発音という機種もある。250あれば十分なのか無制限がいいのか、その違いが今のところ分からない。試して判断しよう。
あとは各メーカーともに電子ピアノならではの便利な機能がたくさんあるが、そこはもう分からんから潔く見比べないことにした。
鍵盤の違いって?
インターネット情報により電子ピアノであっても鍵盤は木製が良い、と言われていて、なんとなく自分もそう思った。けど、よくよく考えたら本物のピアノの鍵盤の表面って木じゃないよね?象牙だったような。だったら樹脂製でもプラスチック製でも変わらないのか?さらに樹脂とかプラスチックとか表現まちまちだけど同じ事かい?
YAMAHAカタログによると木製鍵盤とは、白鍵のみ無垢材(むくざい)を使用していて黒鍵は木材ではないらしい。そして表面は象牙調、黒檀調の仕上げだけど、象牙でも黒檀でもなく「調」となってるのでその材質が何かは不明。鍵盤って見えてる部分だけが鍵盤ではなくて、見えていない奥の支点部分まで含むらしい。白鍵パーツ自体は木で出来ていて表面が象牙っぽく何かでコーティングなどが施されているってことかな?それとも表面に樹脂を貼ってるのかな?頂いたカタログでは肝心なところが記載されていなくて分からなかったけど。
ちなみに無垢材って言うのは、合板や修正材のように木を貼り合わせたものじゃなくて、木材を切り出して製材したものなんだよね。無垢ってゆがんだりそったりするけど大丈夫なのかな?(もう一度よくよくカタログ見たら本物のグランドピアノ同様、きちんと乾燥させて、よりゆがみにくくなっているそうです。すごい手間がかかってるんですね!)
さて、プラスチックと樹脂ってどうなんだろう。プラスチックって言い方が安っぽく聞こえるから樹脂って言ってるのかよく分からなかったけど。プラスチック製というのはキーボードみたいに鍵盤が軽いやつと理解した。そんで、樹脂製はRolandカタログより、本来無垢材で作るべきパーツに樹脂を採用し、側面の見える部分に雰囲気として木を薄くスライスした物を貼ったのを樹脂鍵盤と言うって理解した。合っておりますでしょうか?
そう考えると、電子ピアノの鍵盤は木製でも樹脂製でも、表面は樹脂で出来ているのでは?触った感じはどちらも象牙調、黒檀調なんだよ、きっと。そんで、素材の比重とか色々考慮した上で、より自然な打鍵感を得られるように、各社開発してるんだろうな。
そんなわけで、鍵盤については木製樹脂製こだわらずに弾いてみてしっくりくるかで見極めようと思った。
電子ピアノの下見から一週間で、とりあえずこのような事を調べてみた。他にもチェックすべきことあると思うけど、もう面倒だし理解のキャパオーバーになるから調べるのやーめた。さあ、いよいよ買いに行くぞ!
もう一度おさらい
忘れないように自分なりのチェックポイントをメモして買いに行こうと思う。
- ヘッドホン持参のうえ試し弾きする
- 一応モデリング音源とサンプリング音源の両方を確認する
- 最大同時発音数の違いを確認する
- 木製鍵盤と樹脂製鍵盤という先入観無しで弾き心地を確認する
- ダンパーアクションペダルと普通のペダルを比較して踏みやすさや踏んだ時の音の感覚を確認する(モデリング音源とか最大同時発音数の確認)
これらを総合して、もっとも弾いて楽しい気分になれるピアノにしよう。
こんなもんか。色々検討したけどメモにすると大したことないな。でも何となく下見しただけじゃ分からなかったから、これらのポイントを念頭に置いて試し弾きすれば選べるでしょう。
超久しぶりのまとまった金額の買い物だな。緊張するな。中古の車、バイク、カメラの次くらいだろうか。この歳で電子ピアノが自分の人生で大きな買い物の部類に入るのって、少々情けない気もするけど、さあさあ、今度こそ本当に買いに行くよっ!